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ダイジェストDigest

⑤理科教育 「自然科学」を学習者にどう伝えるか

 2025年度理科分科会の報告では11の実践が報告がされました。討論の中で「見えないものをどう子供たちに伝えるか」「ICT」「目の前の学習者にどのように理科を伝えていくか」のテーマで話されることが多くなりました。

 

1、ICT
 ICTにかかわる実践が多く報告され、議論の中心となりました。兵庫(中)は気圧(粒子)、長野(高)は免疫、静岡(中)は原子・分子と、「見えないものをいかに伝えるか」が活発に討論されました。オリジナルソングが発表されるなど、楽しい会場となりました。静岡(中)の報告では、理科の中でICTを使う効果についてメリットデメリットをズバリ分類した報告がなされました。長崎(高)の報告では、「授業を客観的に見直す」ために、ICTを通じて生徒とやり取りを行う実践が報告されました。
 報告と討論を通じて、「ICTを用いることで、普段意見を発信しづらい生徒の声も拾うことができた」というICTを使うメリットも共有されました。

 

2、理科の授業づくり
 北海道(高)より、苫小牧の豊かな自然のなかにありながら、「自分の住んでいる地域には何もない」と感じている生徒に、実物標本などを用いた授業や、グループでの調査と発表を通じて、地域の魅力に気づく姿が語られました。東京(小)の流水の働き、滋賀(小)の磁力、私学(高)の浮力、埼玉(高)の力学の報告では、課題や問い、それにかかわる実験を丁寧に積み重ねる中で児童・生徒の認識が変容する姿が報告されました。京都(小)の報告では、「空気の重さ」と「浮力」にかかわる討論が積極的に行われました。討論の中で、「子どもの発達段階を踏まえて、どの校種でどの段階まで学びを深めるのか」という点も議論されました。

 

3、おわりに
 ICTにかかわる実践が増加し、その功罪が明らかになりつつある討論でした。「意見を表現し、授業の中でつながるツール」として効果的な反面、「端末やソフトの更新により使えない」「学習以外の使用の増加」などの悪影響も示されました。また、理科においては「基礎基本の定着や理解を別のツールで行い、その後ICTを用いたとりくみを行う」という形も提案されるなど、手書きでの学習の重要性もあらためて討論で示されました。
 「見えないものを教える」ことについては、発達段階や生活体験を踏まえ、見える現象からモデル図などを通じてどのように子どもたちに伝えていくのか、ひきつづき様々な分野でも討論のテーマとなるものでした。
 福島(高)の報告では、コロナ禍と、その中で一気に導入されたICTを通じて、「学校教育とは」をとらえなおすとともに、授業、そして学校を変革させる実践が報告されました。そもそもの教育課程、教育行政にも踏み込んだ、次年度以降の「教育のつどい」にも引き継ぐことのできる課題提起がなされました。