みんなで21世紀の未来をひらく 教育のつどい 教育研究全国集会

ダイジェストDigest

①国語教育 人間的な成長を支える国語教育の創造~国語科は何を学ぶ教科か~

 はじめに「人間的な成長を支える国語教育の創造」のテーマで課題提起が行われました。昨年と同じテーマですが、学習指導要領の再編作業が水面下で本格化する中で、危機感は高まっています。二年続けて小・中・高すべてのレポートを参加者全員で議論してきましたが、今年度は高校のレポートが増えたため、「小・中」と「高校」の分散会を設けて議論しました。

 開会全体会では、東京の報告(小)「子どもの等身大 の読みを大切に」と大阪私学の報告(中高)「主権者を育てる説明的文章の実践」が作品の形象や論理を丁寧に読み取ることの大切さを強調しました。続いて出版労連の報告「教科書価格適正化は待ったなし それに対する私たちの取り組み」は出版社の撤退も続いている教科書価格の低さについて問題提起がされました。

 この後の「小・中」分散会では、滋賀の報告(中)「『楽しむ』と『深める』を考える」・京都の報告(小)「ワニのおじいさんのたから物」・兵庫の報告(小)「『人間について考える』という視点を持つ読み」・滋賀の報告(小)「私の3年間」・北海道の報告(小)「言葉の獲得を通し本来の自分を表出する」・埼玉の報告(小)「やらねばならぬ授業から学びたくなる授業づくりへ」が報告され、「教科書指導書」やスタンダードを乗り越えた授業や、子どもに寄り添った取り組みが報告されました。滋賀の報告(小)「私の3年間」が「1年目は指導書のまま授業をしていた。2年目に仲間と出かけた奈良教育大学附属小学校の授業が運命の授業となり自分の授業を変えていった」という報告に、参加者の一人の学生さんが「2年目にして自分を変えたというのがすごいと思った。自分は『指導書』というものが何かも知らない」と発言し、会場は爽やかな雰囲気に包まれました。予定されていた和歌山の報告(中)「漢詩に描かれた情景や心理を読み取る」はご本人の体調不良により報告されませんでした。

 「高校」の分散会では、岐阜の報告「高校国語科目『現代の国語』の紹介と実際」・愛知の報告「探究する国語授業 ~探究的・対話的・学際的な授業の試み」・長崎の報告「『おろんころん』やって島原弁実践講座」・北海道の報告「学びを生徒に返す」・高知の報告「投げ込み教材による教育実践」・茨城の報告「哲学対話×World Café」・長野の報告「文学国語の授業から」・埼玉の報告「互いの見え方の違いを越えてひらかれていく」・和歌山の報告「漢詩に描かれた情景や心理を読み取る」が報告されました。レポート数が「小・中」に比べて多かったため一本当たりの時間を削らざるを得なかったのですが、活発な議論が行われました。教科再編の影響は大きく、さらに生徒の実態が多様な中で、国語の授業を創る奮闘が豊かに語られました。同時に、「国語科は何を学ぶ教科か」という課題提起の柱も課題として浮き彫りになってきました。

 来年度の分科会で報告される実践は既に始まっています。「人間的な成長を支える国語教育」の実践を様々な困難に抗して紡いでいきましょう。